手の使い方(オステオパシー教室)
昨日は日曜日でしたので、岡山オステオパシー教室の日でした。
『筋膜リリーステクニック』の実習でしたが、これは手技の中でも基本となるテクニックの一つです。
“筋膜(きんまく)”とは筋肉を包む膜と捉えがちですが、身体全体を覆う膜や骨や内蔵を包む膜もあり、筋膜とは和訳されていますが「筋肉を包む膜」だけではありません。
すなわちラテン語のファスキア「帯・バンド・包帯」を語源とするFascia(ファシャ)は、身体の中にある『繊維性の膜組織』だと理解する必要があります。
筋肉を包む膜は“ストッキング”、身体全体を覆う膜(浅筋膜または皮下筋膜)は“セーター”と喩えられることもあります。
セーターのどこか一点を引っ張ると全体によじれや引きつれが起こります。それが筋膜のひずみだと考えれば理解しやすいのです。(筋膜セーターコンセプト)
その筋膜のひずみが痛みなどの不調の原因となりますので、そのひずみをリリース(解放)する手技が『筋膜リリース』です。
筋肉の拘縮をリリースするテクニックを含んでいますので、『筋・筋膜リリース』と言ってもよいのですが、痛みを感じるのは筋膜の方が多いので通常『筋膜リリース』と呼んでいます。
拇指の指腹(親指の腹)で緩やかな持続圧をかける。
拇指の指腹(親指の腹)で緩やかなストレッチをかける。
広い筋膜に対して手掌で緩やかなストレッチかける。
いろいろな方法がありますが、あくまでやさしく丁寧に行っていきます。
テキストに載っていることは基本ですが、実際の手技では状態に合わせて、色々と「手の使い方」を使い分けていく必要があります。
指先を使う。
指腹を使う。
基節骨~中手骨付近を使う。
拇指球・小指球を使う。
手掌全体を使う。
手根部を使う。
いろいろな使い方がありますが、個人個人の手の特徴によっても、微妙に差異があるのは当然のことです。
昨日は、その使い分けについて説明して練習していったのですが、最初からなかかな思うようにいくものではありません。
圧力。
方向。
深さ(振幅)。
スピード。
その加減は患者側ひとりひとりの状態により違いますので、その使い分けをするためには、筋肉・筋膜の状態を察知していかなければならないのです。
そのためには、臨床の数をこなしていかなければ、身について行かないのでしょう。
反対に言うと、熟達していくと「何をすれば良いかは身体が教えてくれる」ので頭で考える必要もなくなってくるのです。
さて、昨日やったことの一つに、「有頭骨の使い方」があります。
スラストテクニックなどでは「豆状骨」をよく使いますが、僕の場合はスラストを滅多に使いませんからそれを使うこともあまりないのです。
上下の椎間(棘突起間)を開きたい時や、椎間間接のマニピュレーションを行う時に「有頭骨付近を棘突起に引っ掛けてプレッシャーをかける」という方法をよく使います。
一石一兆に身に付くものではありませんが、「こう言う方法がある」ということうに触れておくと、練習することもできますよね。
ちなみに、有頭骨は手根骨の中の一つです。
手根骨(しゅこんこつ)は8つの骨が集まっています。
大菱形骨(だいりょうけいこつ)・小菱形骨(しょうりょうけいこつ)・有頭骨(ゆうとうこつ)・有鈎骨(ゆうこうこつ)・舟状骨(しゅうじょうこつ)・月状骨(げつじょうこつ)・三角骨(さんかくこつ)・豆状骨(とうじょうこつ)です。
手根骨は通常8つですが、中心骨(ちゅうしんこつ)という骨が過剰の骨として存在する人もいます。
筋肉の中にも生まれた時から欠損しているものもあったりします。
人それぞれ、身体は違うんですね!
<関連記事>
~take care~