痛みの強さ(主観)の評価方法
【Evidence based Osteopathic Therapies(根拠に基づいたオステオパシー療法)・・・⑤】
施術前と施術後の改善状況を比較する為には、主観的な不調を数値で表す必要があります。
そうしないと、患者自身にしか改善状況がわかりません。
不調には種々あります。
痛み・だるさ・しびれ等、どのような不調なのかを口頭で聞くことはもちろん必要です。
その上で、『痛み』であればそれがどの程度なのかを数値として表していきます。
評価スケールには数種類あります。(ここでは痛みとして説明します)
①ビジュアルアナログスケール(VAS:Visual Analogue Scale)=視覚的アナログスケール
100mmの線を引き、左端は無痛(no pain)・・・右端は最悪の痛み(the worst pain I ever felt)として、感じている痛みがどの程度なのかを「記入」してもらいます。(左から長さで強度表現する)
VASには2種類の評価方法があります。
1.左端からポイントまでの長さを測定し痛みの数値とする。(100段階評価)
[-------------------------------------------------------]
痛みなし 想像できる最高の痛み
2.線を10等分し、痛みがどの領域にあるかを示す。(10段階評価)
[-----|-----|-----|-----|-----|-----|-----|-----|-----|-----]
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
②数値的評価スケール(NRS:Numerical Rating Scale)
NRSは①の2.と似通ったものになりますが、患者に「10を最大の痛みとして、現在の痛みを「口頭」で答えてもらい痛みの強度とします。(“0=痛みなし”~10の整数での11段階評価)
[-----|-----|-----|-----|-----|-----|-----|-----|-----|-----]
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
③口頭式評価スケール(VRS:Verbal Rating Scale)=カテゴリースケールということもあります。
VRSは、痛みの強度を指定の言葉で「口頭」で答えてもらいます。(表現の仕方は種々あり)
[-------------|-------------|--------------|-------------]
痛みなし 軽度の痛み 中度の痛み 強度の痛み 最悪の痛み
※表示フォントによりグラフと文字が均等に表示されないことがあります。④フェイススケール(FRS:Face Rating Scale)=スマイルスケールということもあります。
FRSは小児などに使用するビジュアルアナログスケールと考えれば良いのですが、顔などのイラストで痛みの強度を示してもらいます。顔の表情は気分やその他の症状を含んでしまう場合があるので取り扱いには注意が必要です。
どの評価スケールでも良いのですが、「施術前の痛みの強度/施術後の痛みの強度」を比較できるように数値化することが大切です。
通常は『ビジュアルアナログスケールでの10段階評価』が使いやすいと考えます。
これは痛みや不調の度合いの『主観的』表し方ですので、その他に『客観的』検査(骨格の左右の高低差、回旋・側屈・屈曲・伸展などのねじれ、関節可動域、筋肉硬度、筋力テストなど)を行い、それをトータルして『総合的評価スコア』として、身体の状態を数値化します。
~take care~